KV-8000 ドライブレコーダー機能

KEYENCE

はじめに

KV-8000に搭載されているドライブレコーダ機能について使用方法等を説明していきます。

今までは不具合が起きるとラダーを探ったり、原因がわからない時はモニタしながら再現したりと、手間がかかっていたと思います。
今回の機能を使用するとデバッグ時間が大幅に短縮されます。

記録は1スキャン毎に確認が可能なのでONしてすぐにリセットがかかってしまっていた場合などでも確実に確認する事ができます。

記録はSDカードに保存されるので、納入後に不具合が発生した場合、SDカード内のデータを送ってもらい原因を探ることも可能です。

記録の確認はラダーをモニタをしている状態と基本的には同じなので非常に使いやすいです。
設定も簡単にできます。

欠点があるとするなら、スキャンタイムが少し伸びることです。
例として記録対象が2009ワードの時スキャンタイムの伸びが0.104msでした。

機能

任意のタイミング、又はトリガを設定する事でPLCのデータを保存することができます。
記録方式は2種類あり、トリガ前後記録とサイクル記録があります。

保存されたデータはKVstdioで確認することができ、1スキャン事に再生可能です。

設定できる内容としては
・保存トリガ(R~等)
・記録時間
 トリガ前時間
 トリガ後時間
・記録対象(デバイス、カメラ画像、タッチパネル操作履歴等)

EthernetIPで接続されている機器の入出力状態も全て確認できます。

キーエンスのタッチパネルVT5-WXシリーズを使用すると、タッチパネル上で運転記録を読み出して確認できます。

設定方法

kv studioを立ち上げて、PLCをKV-8000でプログラムを作成します。

左の、運転記録設定から設定ができます。


設定できる記録の種類は最大4パターンです。
異常発生用、カメラ異常発生用、等用途を分けておくと記録を確認する時に分かりやすいかもしれません。

設定画面がこちらになります。
コメントを入力するとデータ保存パスのトリガコメントの前にコメントが追加されます。

データ保存先はメモリカードかCPUメモリが選択できます。
PLC本体にSDカードを挿すと使用できます。

ちなみにSDカードは性能が同等であればキーエンスのSDカードでなくても大丈夫だそうです。
ただし、32GB等の容量を超えてくるとPLCが認識しません。

収集期間

指定方法

・ファイル保存トリガ前後
 ファイル保存トリガがONしたタイミングの前後を指定時間分保存します。
 ファイル保存トリガは任意のデバイスを追加できます。
 例としてMR1を追加しました。

・開始トリガ
 開始トリガから指定時間記録を取ります。
 その後もう一度記録トリガがONすると前のデータは保存されず、次の記録を始めます。
 ファイル保存トリガがONした時点で記録が保存されます。

記録対象

・デバイス
・カメラ
・イベント/エラー
・プロジェクトデータ

基本的には全てにチェックを入れておいて問題ないです。

デバイスは詳細設定で必要な分だけ選ぶ事ができます。詳細設定を開くと左上に自動設定のチェックボックスがあるのでそこをクリックすると手動で設定できる様になります。

スキャンタイムの延びが気になる場合には必要最低限だけ設定し、対策します。

オプション

オプションはデフォルトで2つともチェックが入っています。特に変更する必要はないです。

手動記録

PLCと接続し、モニタモードにすると画面に運転記録保存ウィンドウが表示されます。RECボタンを押すことで記録トリガとなり、保存が開始されます。

デバッグ作業時に運転記録設定をトリガ前30秒等に設定しておけば、問題が起きたタイミングで手動で記録トリガをONさせて問題の原因を探る事ができます。

記録確認

リプレイモードにすると保存された記録を確認できます。

記録の読み出しは2種類あり、パソコン内とCPU内があります。

リプレイモードでは下にスライドバーが表示され時間を操作できます。再生ボタンでデバイスが変化していくのをモニタ出来ます。再生ボタンの左右のボタンで1スキャン毎の確認ができます。

すべてのデバイスを記録対象に設定してあると(デフォルト)プロジェクトタブのユニットを選択することで、モニタしている時と同じ使い方ができます。

変化点検索

選択したデバイスがOFF→ON又はON→OFFになるスキャンまで時間をスキップできる機能です。

検索したいデバイスにカーソルを合わせ右クリックでタブが表示されるので選択して検索できます。

イベント/エラー履歴

運転記録のトリガがONした時間や、タッチパネルのボタンを押した履歴が確認できます。

この履歴を見ることで作業者がどのボタンを押したかがわかります。

おわりに

ドライブレコーダー機能は使いこなせる様になると不具合対応が素早く行えるので設計者や保全の人には大助かりです。

運転記録を確認するとデバックの時間短縮につながるので是非活用してみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました